F-DESIGNとは

F-DESIGN代表 福島徹

F-DESIGNで食を本来あるべき形に整える

私たちの日々の食卓には全国各地から届いた様々な食材が並びます。だけど、たまにご馳走が並ぶのはいいものですが、毎日はいらない。基本的にはご飯、味噌汁、漬け物、そして少しの魚でもあればいい。私が考えているまっとうな食を作ってくれる生産者、製造加工者のものを食べ、生活者のみなさんにご紹介したい。……実は、多くの人たちがそんな価値に気がつきはじめているのではないでしょうか。私はF-DESIGNという枠組みの中で、食卓に通じる生産者、製造加工者、販売者、購入者(生活者)の関係を見つめ直し、本来あるべき食の形に整えられたらと思っています。

資本主義経済の中では、販売数をアップさせて利ざやを稼ぐという風潮があります。ですが、福島屋ではものを徹底的に安く売り、多店舗化、会社を大きくするということはしませんでしたし、これからもすることはありません。私はこの40年間、福島屋で培ってきたノウハウを生かし、全国の生産者、製造加工者、販売者、購入者(生活者)がコミュニケーションを交わす場を作りたいと思っています。そして、F-DESIGNという場で一緒になって「食」を見つめ、考え直し、本来あるべき食の形に整えたい。F-DESIGNとはそんな取り組みです。

そして、この取り組みの中で、今はまだ目に見えていない価値を見つけ、育ててブランドにしていきます。そうすれば、全国の至る所に、食でつながるコミュニティが生まれ、同じ志を持つ生産者、製造加工者、販売者、購入者が緩やかに連携していく社会が誕生するはずです。

F-DESIGNの役割と三本の柱

このF-DESIGNには三本の柱があります。「素材を大切にする」「食を整える」「四位一体」です。この三本柱が豊かな生き方を導く羅針盤のような役割を果たしていくのではないかと考えています。

一つ目は「素材を大切にする」ということ。食には人が踏み込んでは行けない領域があると考えます。遺伝子組み換え食品の多用、科学的土壌管理の行き過ぎなど、食をあまりケミカルな分野に引きずり込んではいけない。長い年月で人間にどのような影響をあたえるかわからないですからね。昔から食と健康はつながっている「医食同源」という言葉があります。毎日口にする食だからこそ、大切に考え、食べなくてはいけない。

二つ目の「食を整える」。個々の生活を大事にした食が行き着く先は、日常の食です。安全・安心を第一に考えた農作物を作るためには手間がかかるので、決して安価ではありません。ならば、少しずつ大切に使えばいい。よいものを選び、大事に使う意識を育てる。これは誰もが実践できる、日々の社会改革ではないでしょうか。

そして、三つ目の「四位一体」。これは生産者、製造加工者、販売者、購入者がタッグを組むことです。商いの基本は「作って、売る」こと。ですが、現在の社会は複雑に入り組みすぎて「作り手」「使い手」の顔が相互に見えていません。それでは相手のことを思って作ったり、買うことができない。「作って、売る」という基本に立ち戻れば、おのずとよい商品を作り、売ることができます。食に関わる四者すべてが自分で考え、実行する力をつけ、同じ生活者として、共に食を支えていく。互いに顔の見えるコミュニティが大切だと思います。

食を中心としたコミュニティを作る

家の畑で取れた野菜はおいしい。自給自足は大変ですが、生産者と生活者の距離が縮まれば、安全でおいしい食事ができるはずです。ですが、地域によっては採れない作物や肉、魚がある。それは全国各地に広がったコミュニティがつながり、融通しあって欲張ることなくやっていく。

きめ細やかな流通網をつくるのではなく、各地域にしっかりとした食を中心にしたコミュニティをつくる。コミュニティには生産者である農家や漁師、製造加工業、販売、金融、行政、デザイナーなど幅広い人たちが参加するイメージです。もちろん、そのコミュニティに近い人が「自分にはこんなことができる」「こうすればいいんじゃないか」「うちのレストランで使いたい」というように、参加すればコミュニティはもっと強固なものになる。
そのコミュニティでサポートし合えば、商品、技術をよそのコミュニティに届けることができます。作物を作り、加工・販売し、生活者が料理し、食べる。流れに関わるすべての人たちが一緒になって食を支える事業プロジェクトがF-DESIGNの理想です。

コミュニケーションとコミュニティの拠点を作る

やがてはF-DESIGNの考えをベースにした「Fの店」を作り、そこを食の拠点としてコミュニティをつくりたいと考えています。地産地消をベースとし、その食材でデリカ(惣菜)を売る小さなスーパーがイメージです。そこには生産者、製造加工者、販売者、購入者が集い、互いの意見を出しながら「Fの店」というコミュニティを運営していく。もちろん、「Fの店」の最初は福島屋のOSなりDNAを注入した場所になるでしょう。しかし、大手コンビニのようなフランチャイズではない。地域の人が「Fの店」の考えをベースに考え、更新していける場所です。


F-DESIGNが目指す、今後の取り組み

F-DESIGNの「F」の中には未来(Future)、友好的(Friendly)、食(Food)なども含まれています。食(Food)の響きは「風土」にもつながる。F-DESIGNが私たちの足元の景色や営みを見直すきっかけの一助になればと思います。

■F-FORUM

F-DESIGNの取り組みを伝える
仲間作りの入り口。情報共有の場

■F-NEIGHBORHOOD

地域完結型事業スタイル
地域単位でどんな暮らしが豊かで楽しいかを考え、
実践するプロジェクト

■F-MARKET(Fの店)

食の安全、良質を提供する
コンテンツ、場所

■F-INSHOP(津々浦々)

トライアルテーブルとして
事業を研磨する場所


F-DESIGN フォーラム 2017 Spring
福島徹の開会宣言